Talking World War III Blues / The Freewheelin' / Bob Dylan (1963) の歌詞について

精神科医に語る、第三次世界大戦についての夢が、そのまま延々と歌われている。誰もいない町をさまよい、何もすることがないので駐車場でタバコを吸い、シェルターではショットガンで追い払われ、途中で見つけた女の子に「アダムとイブになろう」と言って逃げられ、盗んだ車を走らせ、誰かの声が聴きたくなって、公衆電話で時報を一時間聴き続ける。そこで精神科医にさえぎられる。「私も同じような夢を観ましたが、あなたのとはちょっと違いますね。生き残っていたのは私で、あなたはその世界にはいませんでしたよ」

いいオチだ。いい曲、というより、すばらしい芸だ。邦題『第三次世界大戦の歌』。

 

Smoke On The Water / Machine Head / Deep Purple (1972) の歌詞について

僕達はレコーディングするために、ジュネーブの湖畔にあるモントルーというところにやってきました。時間はあまりありませんでした。フランク・ザッパマザーズが先に来ていて、いい場所をとっていました。でもどこかの頭のおかしな人が照明弾で放火して、建物は全焼してしまいました。カジノ場はすごい音をたてて焼け落ちました。湖の上には煙が上がり、空が燃えていました。クロードが走り回って子供たちを助け出していました。その後、僕達は別の場所を探さないといけませんでした。でもスイスに滞在できる時間はあまり残っていませんでした。もうだめかもしれない、と思いました。それから僕達はグランド・ホテルに行きました。何もなくて、床も壁もむき出しで、とても寒かったです。でもストーンズが使ってた機材があったので、そこでレコーディングしました。明かりがいくつかと、小さなベッドがいくつかある部屋で、汗水流してレコーディングのための場所を作りました。これからどんなものが出来あがるか分からないけど、僕達はこの経験を一生忘れないと思います。

思わず夏休みの思い出作文のように訳してしまった。起こったことがそのまま書かれているのである。にもかかわらず紛れもない名曲なのである。放火した"some stupid"の人は、この歌によって永久に記憶されることになるのである。そのことを知っているのだろうか。邦題『湖上の煙』。

The Heart Of Summer / Rainmaker / Fair Warning (1995) の歌詞について

屋根の上ふたり まばゆい光 君の髪をくすぐる夏の風 そこにはもう秋の気配 はるか遠くを見渡せば せまりつつある夕暮れ 海からたちこめる霧 まるで永遠に続く定めよう 君にも分かるだろう この時間が特別だってことが 今なら君にも分かるだろう 大空のささやきが聞こえるだろう この夏のさなかに

なんてさわやかなんだ。フォークソングみたいだ。タイトルのフレーズの意味はよく分からないが、「ある夏のふたりにとっての大切な時」というような意味ではないかと思うのだが。ウィキペディアにもほとんど記述がないので驚いた。けっこうメジャーだと思ってたんだけど。典型的なビッグ・イン・ジャパンだったんだなあ。こういう歌詞のさわやかさも、海外のメタル・ファンに受けなかった理由なのだろうか。お世話になりました。いや、なってます。邦題『ふたりの夏』。

Run To The Hills / The Number Of The Beast / Iron Maiden (1982) の歌詞について

荒野が青い軍服で満たされる ゲームのように狩り、殺しつくす 女は犯し 男は打ちのめす 「良いインディアンは飼いならされたインディアン」 ウィスキーを売りつけて 金塊を騙し取る 若者は奴隷にし 老人は亡きものにする 丘に向って逃げろ 死に物狂いで走れ

邦題は『誇り高き戦い』で、Wikipediaでは「アメリカの先住民族と侵略者(白人)との戦いを描いた曲」とあるが、描かれているのは一方的な白人の侵略戦争である。イギリス人の彼らがどういう気持でこの曲を書き、歌い、アメリカの白人たちはどういう気持でそれを聴き、歌うのだろう。侵略戦争や植民地政策への反省を込めているようにも思えない。一方的な戦いの高揚感が重要なのだろうか。ところでオフィシャル・ビデオを観ていて思ったのだが、ブルース・ディッキンソンが歌っているときの口の動き、レイザーラモンRGの歌っているときの口の動きに似ている。邦題『丘に向って走れ!』。

魔力の刻印 - Wikipedia

Civil War / Use Your Illusion II / Guns N' Roses (1991) の歌詞について

よく見てみろ 俺たちが産んだ憎しみを よく見てみろ 俺たちが育てた恐怖を よく見てみろ 俺たちの人生を 俺たちが歩んできた道を 俺にはどうすることもできない 何十億もの金があっちにいったりこっちにいったり そして戦争は続く 新たに植えつけられたプライドのために 神への愛のために 人権のために そしてその全ては台無しにされてしまう 血塗られたこの両手で 歴史を見れば明らかじゃないか 全ては押し流されてしまう 俺たちが手を下した虐殺によって そして歴史の中に埋もれてしまう 俺たちがこの手で起こした戦争の欺瞞を

ストレートな反戦歌。南北戦争を歌っているにしては変だな、と思っていたが、どうやら人類の起こすあらゆる戦争のことらしい。また、このあと歌われているキング牧師の暗殺とその葬列への参加は、ダフの実体験が元になっているらしい。Civil War (song) - Wikipedia

そういえば当時、「Ⅰ」よりも先に「Ⅱ」の方を先に聞いたので、Use Your Illusionと言えばこの曲、という印象がある。「もしもUYIが一枚のアルバムだったら……」(ホワンホワンホワンホワン)と、デビュー作を超える(のは無理としても)傑作を誰しも妄想したことだろうが、実際に究極のUYIの曲順を決めようとすると、結局「My World」以外の子たちを全部ねじ込まないといけなくなって、一枚のCDじゃ入んなくなっちゃうんだな。まあ今はUSBがあるからいいか。邦題『俺たちの戦争』。

 

 

This Fire / Lightning Strikes Again / Dokken (2008) の歌詞について

くじけずあきらめず歩んできた でももう何もかも見失ってしまった 上にも下にも何もない 逆さに振っても何もでない どうすればいいか分からない 俺には確かに情熱があった だがいつの間にか失ってしまった 抜け出さなきゃいけないんだ 回り続けるこのメリーゴーランドから もう一度燃え上がらせないといけない 消えちまいそうな炎を もう燃えてないのは分かっている 今にも消えてしまいそうだ もう感じることが出来ないんだ かつてこの胸に燃えていたあの炎を

去年初めて聴いて、メタルに戻ってくるきっかけになった曲のひとつ(でももう10年前の曲なのか……)。ソフトさとハードさが絶妙に混ざり合った、まさにあの頃のドッケンのような曲だ。でも詩の内容がこんなだったとは……。せめて「俺の炎はまだ消えちゃいない」って言ってよ。邦題『情熱の炎』。

Release Me / Lightning Strikes Again / Dokken (2008)

なんでこんなことになっちまったんだろう この穴ぐらに落ち込んじまったのは 俺自身のせいだ 地の底で死人と共に歩き 浮かび上がる術もない すべてはもう遅すぎる ここから連れ出してくれいないか 翼を取り戻したいんだ 手を貸してくれないか 人生をやりなおしたいんだ 誰か助けてくれないか もう一度空を飛びたいんだ 自由をくれないか もう一度這い上がるんだ 俺にはできるんだ ここから連れ出してくれないか

この曲を聴いていたら、ふとal.ni.coのことを思い出して、調べていたら猫騙というバンドをやっていることを知って、Youtubeを観て、WANDSが聴きたくなった。いま『ふりむいて抱きしめて』を聴きながらこれを書いています。ああ、この軽いギターの音がたまらない……再結成したら絶対売れるのに……上杉がんばれ!ドッケンもがんばれ!邦題『誰か助けて』。